
クリスマスも終わり、いよいよ年末を迎える。太田選手にとって、不本意なシーズンだった今季、2012年のロンドン五輪出場、そして金メダル獲得に向けて、沖縄の地で締めくくる。
12月24日−30日の間で、フィジカルのみのトレーニング。名護でのトレーニングの合間を縫って、メッセージを寄せてくれた。
>> 太田雄貴選手のコメントはコチラ(動画)



2011年も残り10日を切った。現在の太田選手はどのような練習をしているのか?10月の世界選手権後、12月上旬にシンガポールでの招待試合があったのみで、日本代表としての大会参加はない。世界選手権後からのフィジカル中心のトレーニングを行い、来年のロンドンに向けて再スタートへの第一歩と本人は位置づけている。
「世界選手権は直前の怪我により、思うようなトレーニングができていなかったので、来年に向けて、しっかりと体をつくりたかった」
スタミナ面の不安は来年、さらに深刻な状況となるだろう。1月下旬からオリンピック選考の佳境を迎えるワールドカップ。太田選手は現在、世界ランキング21位と5年間守り続けたシード権を逃している状態だ。個人戦は2日間で行われる。1日目は予選、2日目は予選を勝ち上がった選手に加え、世界ランキング16位以内のシード選手が出場し、64人で決勝トーナメントが行われる。
16位以下の選手は、予選から出場しなければならない。まず7人1組の総当り戦(5点先取)が行われ、上位者がさらにトーナメント2試合(15点先取)を1日でこなす。太田選手は5点先取の試合を6試合、15点先取の試合を8試合消化しなければならない。さらにワールドカップグランプリ大会では個人戦のみとなるが、ワールドカップA大会というカテゴリーの大会になると、個人戦2日目の翌日には団体戦がある。
オリンピックへの道のりは非常に険しいことは本人が一番、理解している。目に見えてわかっているスタミナ不足を強化するためにも、11月は剣を使用した練習は行わず、フィジカル中心のトレーニングを行った。午前はウエイトトレーニングを行い、午後は有酸素運動を取り入れた。11月上旬は800mのインターバル走を3本、3000m走、12分間走など長い距離を中心にトレーニングを行い、下旬には短い距離でスタミナを持続しながら、瞬発力を高めるトレーニングに移行した。12月となった現在もスタミナを強化しつつ、瞬発力を高めるトレーニングとして、20mから30m走インターバル15秒を挟み、30本をこなし、さらにフェンシングの独特の動きに合わせるように低い姿勢のまま、10mを8セットの横走りを行っている。
「1月からの試合はスタミナが絶対に必要になってくる。今のトレーニングが絶対に活きてくると思う」と自信をのぞかせている。勝負の年となる2012年のスタートダッシュに向けて、調整を続けている。
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11月26日、東京都中央区の総合スポーツセンターで太田雄貴選手プロデュースの太田雄貴杯が開催された。2009年から開催され、これで3回目となった大会で太田選手は、『フェンシングの普及』という部分で手ごたえを徐々に感じつつある。
「北京五輪のような舞台を子供達にも味わってもらいたい」
日本人として初めてメダルを獲得した2008年。場内の照明を落とし、暗がりの中に浮かび上がるピストで太田選手は準決勝でイタリア人選手を破り、メダルを決定付けた。日本人の誰もが、“フェンシングはこんなかっこいいものなのか”という印象を受けたに違いない。
マイナースポーツのフェンシングを普及させるために、太田選手は所属企業である森永製菓株式会社のバックアップで、世界で最高の小学生大会を実現した。決勝ピストを特設し、予選プールで使用するピストは色づけして、国際大会の仕様に近づけた。また、本大会とは別にフェンシングの剣に触れさせて、フェンシングを経験したことがない子供たちに楽しみを教える『はじめてフェンシング教室』も開いた。
今大会は83人の選手が出場し、その内6人が2009、2010年の『はじめてフェンシング教室』に参加した子供たちだった。太田選手は「3回目の大会で、大会に出てきてくれたことはすごくうれいしい。フェンシングの普及を続けてきて、ようやく形になってきたんだな、と実感しています」と笑みを浮かべた。
はじめてフェンシング教室、予選プールで敗退してしまった選手たちへの特別授業、トークショー、そして決勝の実況を行い、最後は優勝者とのチャレンジマッチをこなした。「みんな、いい笑顔をしていました。特に予選プールで敗退してしまった子供たちへの授業は、本当にやってよかった。私が得意とする“振り込み”という相手の背中を剣で突く技をみんな聞きたがっていました」と未来の日本代表たちに惜しみなく、自分の得意技を解説していた。
「来年はロンドンオリンピックの年です。第4回はロンドンの後になると思います。出場選手たちに、いい報告ができるように頑張りたいと思います」
小さな剣士たちから、パワーをもらった太田選手。来年控える大舞台に向けて、いよいよ厳しい戦いが始まる。
『第3回 森永製菓・フェンシング フルーレ
太田雄貴杯 powered by ウイダーinゼリー』
小学3・4年生女子(出場者11名)
優勝:上野優佳選手(大分県)
2位:岡田芽生選手(岐阜県)
3位:永井杏奈選手(富山県)
3位:齋藤利莉選手(宮城県)
小学3・4年生男子(出場者25名)
優勝:新井謙信選手(東京都)
2位:吉田晃大選手(大阪府)
3位:藤澤将匡選手(宮城県)
3位:北村創拓選手(東京都)
小学5・6年生女子
優勝:吉田真花選手(大阪府)
2位:坂井真子選手(東京都)
3位:佐藤佳菜選手(秋田県)
3位:尾矢二千花選手(愛知県)
小学5・6年生男子
優勝:佐藤龍選手(岩手県)
2位:青木貴雅選手(静岡県)
3位:小野寺将慶選手(宮城県)
3位:北村透海選手(東京都)
『はじめてフェンシング教室』
参加者学年:小学1年〜6年生
参加者合計:57名




10月中旬に開催された世界選手権後、短いオフが終わった太田選手。『選手』から『社員』としての業務が始まった。『樋口久子 森永製菓ウイダーレディス』が10月28日より3日間で開催された。大会初日にはギャラリー入場ゲート付近に設置された森永製菓のブースで来場者に対して、お菓子を販売する業務につき、朝一番から来場したギャラリーの方々に声をかけていた。
今大会には森永製菓の契約プロであり、プライベートでも仲のよい有村智恵プロが出場し、朝のクラブハウスで有村プロと顔を合わし、激励した。「森永製菓の契約プロですので、個人的にも社員としても是非、優勝してもらいたい」と期待を寄せていた。有村プロは3日間トータル−7でまわり、馬場ゆかりプロとのプレイオフを制し、見事、ホステスプロとして最高の結果を残した。
翌日の10月29日は『アイスボックス小学生フェンシング教室』の講師として、八王子にある工学院専門学校へ。経験者、未経験者30名が参加し、太田選手の指導を受けた。経験者は日本代表選手との試合をし、試合後には太田選手よりワンポイントレッスンを受けるなど、憧れの太田選手と触れ合うことができ、満足げな表情を浮かべていた。
「有村プロは、スポンサーの大会で優勝できることはすごい。本当に強いと思う」と大事な試合で確実に結果を残す姿を見て、大いに刺激を受けた。教室に参加した子供たちからは「来年、オリンピックがある。しっかりと結果を残して、みんなの憧れでいられるように頑張りたいと思う」と勇気をもらった。苦しい状況が続いた今シーズン、気持ちを切り替えることができたようだ。



太田選手の右腕に持ったサーベルが、相手の胸に突き刺さり、2011年の世界選手権男子フルーレ団体戦の幕が閉じた。団体戦5位−。「優勝を目指していたので残念です。」(太田選手)と話すように昨年の銅メダル以上の結果を目指していたため、落胆の表情を隠せなかった。
1回戦はシード国のため、免除となり、2回戦からの登場となった。日本の初戦はハンガリー。危なげなく45−29で勝利を収めたが、ベスト4をかけた3回戦のポーランドに足元をすくわれた。序盤からリードを奪われ、8セット目が終わり、13点差(40-27)で太田選手に最後の出番がまわってきた。相手から8点は奪ったものの、45点目を取られ、5−8位の順位決定戦へと回った。 まず韓国には、何とか45-40で勝利を収め、5−6位決定戦へ進み、ロシアを45-32で破り、5位が決定した。
「アメリカ対策ばかりをしていて、ポーランドが勝ちあがってきて、あたふたしてしまいました。」
太田選手が語るように日本代表チームは予期せぬ事態に対応ができていなかった。トーナメント表が発表された時点で、ベスト8はアメリカであろう、と予測をしていたが、2回戦でアメリカがポーランドに敗れてしまった。「グロネクを始め、強い選手が多い」と個々の力でも圧倒されていた。
ただし、悲観的なことばかりではない。太田選手はチームメートへの手ごたえも感じていた。メダルを目指していただけに意気消沈になりかけていたチームだが、韓国に競り勝ち、ロシアにも快勝した。「試合の合間にも関わらず、気持ちを切り替えて(順位決定戦に)次の試合へ臨めたことは大きい。大事なのは来年のオリンピック。結果を引きずることなく、次に向けてチーム全員が気持ちを切り替えられたという部分では収穫があった」と話した。
2010-11シーズンは終了した。団体戦でのリンピック出場枠獲得は来シーズンへと持ち越しになった。日本代表は昨年優勝した1月のパリでのワールドカップから始動する。代表枠が決定する3月末までに、3試合。太田選手を始め、日本代表選手たちはオリンピック出場枠獲得を目指す。
■大会詳細
1回戦 シードのため、試合なし
2回戦 ハンガリー 45-29○
ベスト8 ポーランド35-45●
5-8決定戦 韓国 45-40○
5,6決定戦 ロシア45-32○
■最終順位(上位のみ)
優勝 中国
2位 フランス
3位 ドイツ
4位 ポーランド
5位 日本
6位 ロシア
7位 イタリア
8位 韓国


相手のマスクにランプが点灯した瞬間、オリンピックへのリスタートが切られた。世界選手権男子フルーレ個人戦が13日に行われ、太田選手は3回戦(ベスト16)で敗退。額に大粒の汗をたらしながら、戦いの舞台となったピストを後にした。悔しさを包み隠すように、太田選手は淡々と試合を振り返った。
「今回はまったく動けなかった。体力の面で不安があって、心技体がそろっていないとやはり戦えないことはわかった」
痛みは完全になくなっていたが、左第4肋骨骨折の影響は、多少なりともあった。2週間、有酸素系のトレーニングや筋力トレーニングは軽めのメニューをこなすしかなかった。スタミナ不足は1回戦から見られた。14-4と10点差をつけ、あと1点で勝利というところから足が動かず、5連続ポイントを奪われた。さらに2回戦では開始早々6連続ポイントで圧勝かと思いきや、14-14と追いつかれるも、何とか勝利した。迎えた16強の戦い。序盤から追いかける展開で、何とか14-14に追いついたが、最後まで流れをつかめず、相手に力負けした。
昨年の世界選手権銅メダルを獲得した世界ランキングのポイントが消え、世界選手権前8位だった順位も21位まで落ちた。だが、太田選手は悲観していない。16位以下となると、シード権がなくなり、W杯など予選プールからの戦いとなるが、「久しぶりのシード落ちだけど、逆に体力の面で不安があるので、前向きに考えたいと思う。初心に戻って、また一からスタートを切ります!」と強く前を見据えた。多くの苦楽を経験した選手だからこそ言える一言。雪辱はロンドン五輪の場で。今、再スタートを切る。
【試合結果】
1回戦CHOUPENITCH Alexander(CZE)15-9 ○
2回戦HERTSYK Rostyslav(UKR)15-14 ○
3回戦CHEREMISINOV Alexey(RUS)14-15 ●
【順位】
優勝:CASSARA Andrea(ITA)
2位:ASPROMONTE Valerio(ITA)
3位:SINTES Victor(FRA)
11位:太田雄貴
【世界ランキング】
1位 273pts CASSARA Andrea(ITA)
2位 186pts AVOLA Giorgio(ITA)
3位 153pts SINTES Victor(FRA)
4位 149pts ASPROMONTE Valerio(ITA)
5位 146pts BALDINI Andrea(ITA)
6位 135pts EL SAYED ABOUELKASSEM Alaaeldin Mohamed(EGY)
7位 128pts LE PECHOUX Erwan(FRA)
8位 123pts CHOI Byung Chul(KOR)
9位 113pts CHEREMISINOV Alexey(RUS)
10位 113pts LEI Sheng(CHN)
21位 84pts 太田雄貴


太田選手が、現地時間10月13日にフェンシング世界選手権男子個人フルーレの試合を迎える。9月24日に日本を出国し、直前までロンドンで合宿を張り、調整を行ってきた。不安視されていた肋骨の骨折も完治し、「痛みはない」。
イタリアに入ってからも、調整もスムーズに行っている。今回の会場は試合会場と練習会場が離れており、1度試合会場に訪れただけで、集中して練習に取り組めているようだ。前日となる12日は軽めの調整をし、武器の手入れなどを行うなど宿舎で時間を費やした。
昨年の世界選手権では銅メダルを獲得し、日本人初となる世界選手権でのメダルを獲得した。だが、昨年は「優勝できるチャンスだった」と準決勝での敗退を悔やんでおり、リベンジに燃えている。
64人で行われる決勝ラウンドの1回戦の組み合わせが発表され、17歳のチェコ代表のCHOUPENITCH Alexander選手と対戦することとなった。7月のアジア選手権以来となる実戦が世界選手権の緒戦で多少は不安を感じつつはあるものの、世界のトップを知る男に抜かりはない。
>> 太田雄貴選手 メッセージはコチラ(動画)
9月5日、左第4肋骨骨折が判明した太田選手。8月下旬の練習中に対戦相手のサーベルが肋骨と肋軟骨のつなぎ目部分に当たり、負傷した。当初は練習を続けていたが、10月上旬に控える世界選手権出場が日本代表にとっても最大の目標であり、コーチ陣との話し合いによって、9月10、11日の全日本選手権を欠場が決まった。骨折が判明してから2週間が経過し、その後の調整はどうなっているのだろうか。
16日時点で、太田選手は男子フルーレ日本代表のチームとは別メニューで調整を続けていた。ウエートトレーニングは軽めのメニューこなしつつ、フェンシングのサーベルを握っての練習では、「咳とかくしゃみをしたりすると痛いけど、練習をする限りではあまり痛みもない」と30分間、コーチとマンツーマンでのレッスンをこなすなど、精力的に汗を流した。
ただ自らの体が完全ではないことはわかっている。特に骨折をしている左上半身の張りには充分に気を使っている。「周りの筋肉が弱い部分を守ろうとして、すぐ硬くなってしまう。特に胸部のストレッチはしっかり行っている」。普段のストレッチとは別に息を吐くと同時に補助の手を借りて、胸部を圧迫してもらい、肋骨間の筋肉をほぐすストレッチを重点的に行っている。
「すぐにでも試合ができる」と24日には世界選手権直前合宿のために、渡英する。来年のロンドン五輪への出場権に大きく関係する大一番に向けて、太田選手は着実に歩みを進めている。
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9月8日から開幕する全日本選手権(東京・代々木第一体育館)に出場予定でしたが、5日に都内の病院で、『左第4肋骨骨折』(全治約1ヶ月)と診断を受け、欠場することとなりました。先月30日の練習中に剣で左胸を突かれた際に、怪我をした模様。10月の世界選手権(イタリア・カターニア)には日本代表として出場いたします。
太田雄貴コメント
「今年、国内で行われる唯一の大会でしたので、非常に残念に思っています。世界選手権も控えており、日本代表のコーチ陣と相談し、やむなく欠場を決めました。大会関係者、応援してくださるファンの皆様には、世界選手権での活躍で恩返ししたいと思っています。」
熱気が充満する国立スポーツ科学センター(JISS)のフェンシング場。太田選手を筆頭に男子フルーレ日本代表のメンバーたちが、実戦形式の総当たり戦で汗を流していた。フルーレに限らず、フェンシング日本代表の面々は、10月に控える世界選手権(イタリア/カターニア)へ向けて調整している。だが、1ヶ月前に日本一の座を決める全日本選手権(9月8日−11日・東京/代々木第一体育館)も各選手、思うところはあるようだ。
ロンドン五輪選考に影響のある大会ではないが、各選手はプライドを掛けて、頂点を狙っている。もちろん太田選手もその一人だ。これまで02年、07年、09年と全日本選手権を3度征し、「今まで誰も達成したことがないので、やり遂げたい」と昨年は大会史上初の2連覇を狙ったが、右ひじの怪我で戦いの舞台にすら上がることができなかった。
さらに強い思いがある。今年3月の東日本大震災により、国内で唯一のワールドカップである4月の高円宮牌が中止となった。震災間もない日本で自分の勇姿を見せたかったが、叶わなかっただけに「日本で自分のフェンシングを見てもらう機会がないのは寂しい。去年、優勝して以来の試合だから頑張りたいと思う」と昨年、優勝した高円宮牌以来1年4ヶ月ぶりとなる国内での試合に力を込めた。
日本代表合宿に入り、およそ1ヶ月が経つ。練習にも集中できるようになり、5点先取の総当たり戦を11試合こなし、全勝と練習から他を寄せ付けなかった。「世界選手権1ヶ月前ということで、調整の意味合いももちろんありますが、開催が東京ということもあり、みなさんに是非、会場に足を運んでもらいたい」。ロンドン五輪の試金石となる10月の世界選手権へ向けて、まずは日本一の座を射止める。
【全日本選手権 日程】
場所:国立代々木第一体育館
| 9月8日 15:00−19:00 | 男子サーブル個人プール戦 女子フルーレ個人プール戦 |
| 9月9日 9:00−19:00 | 男子サーブル個人E64〜決勝 女子フルーレ個人E64〜決勝 男子エペ個人プール戦 |
| 9月10日 9:00−19:00 | 男子エペ個人E64〜決勝 男子フルーレ個人プール戦 女子エペ個人プール戦 女子サーブル個人プール戦〜E32 |
| 9月11日 9:00−16:00 | 男子フルーレ個人E64〜決勝 女子エペ個人E64〜決勝 女子サーブル個人E16〜決勝 |
※赤字が太田選手出場試合
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剣と剣がぶつかるトレーニング場から離れ、太田選手は森永製菓の一社員として、1日を過ごした。チョコレートの甘い香りが漂う鶴見工場。8月2日、社内で募った義援金の一部を使用し、茨城県日立市以北の子供達36人を同工場に招待し、キョロちゃん、そして全社員の代表として太田選手が出迎えた。
2011年3月11日−。太田選手は長期のヨーロッパ遠征でドイツの地にいた。ドイツ・ボンでのワールドカップを控え、ホテルの部屋で休んでいたとき、テレビから突然、遠い母国の惨状が流れてきた。ドイツ語で淡々と説明するキャスターの声、言葉はわからないが、映像を見るだけで体が震えた。時間が経つにつれて、明るみになっていく日本の状況に、"何もすることができない。今は試合に専念し、結果を出すしかない"と、こう考えるしかなかった。
帰国してからの日本、特に東北の状況に驚き、"スポーツ選手として、そして一日本国民として何かをできることをやろう−"と思い立ったが、競技との両立で心の焦りを生んでいった。心の奥にあるもやもやを解消できず、5月に再開したワールドカップ、7月のアジア選手権を戦ったが、結果が出ず、冷静に状況を判断できていた自分を見失っていた。
子供達に元気を与える機会で逆に太田選手は元気をもらい、そして笑顔が戻った。全体写真、即席のサイン会、工場見学を終え、子供達を見送り、「(子供たちを)元気にしなきゃいけない立場なのに、逆に"頑張ってね"と言われて泣きそうになった」と子供達から勇気をもらい、感激した。バスに乗り込む子供から、「金メダル獲ってね」と声を掛けられ、「任せておけ」と力強く答えた。心が晴れ渡った8月2日。ロンドンまで1年を切り、気持ちの切り替えをした太田選手は最高の結果で答えてくれるだろう。
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2012年7月31日、ロンドン。フェンシング競技男子フルーレ個人の戦いが行われる。がむしゃらに目指した北京五輪とは異なり、ロンドン五輪ではメダル獲得が当たり前とされ、大きなプレッシャーがのしかかっている。前年となる2010-11シーズンは、どんなシーズンだったのだろうか。
09年には世界ランキング1位、10年のパリで行われた世界選手権では、日本人史上初の銅メダルを獲得し、今シーズンの飛躍が期待された。だが、ふたを開けてみれば、ワールドカップ個人戦7試合を戦い、表彰台に上がった大会は、2月に行われたスペイン、ラ・コルーニャ大会の3位のみ。2年ぶりの頂点を目指した7月のアジア選手権でもベスト16で敗退した。「今シーズンは辛いシーズンだった。思うような結果が出ていないし、ここぞという試合でも結果を出せなかった」と苦い表情を浮かべ、振り返った。
技術的な部分は間違いなくトップクラスにはいるが、精神的な部分が大きかったようだ。「今はとにかく練習をして心身ともに充実したら、敗戦の分析ができると思う」と目の前の課題に取り組むことで打開していくしかないことを十分わかっている。
今までに何度も壁にぶち当たってきた。初めて参加した世界大会では、外国人選手との体格の差に圧倒され、勝つためにどうしたらいいのかを考えた。同志社大時代、日本代表のライバルたちが結果を出し始め、自分だけが結果が出せない時期があり、今まで指導を受け入れなかった日本代表コーチであるオレグ氏に頭を下げ、指導法を変えた。その都度、自ら考え、最良の行動をして、困難を乗り越えてきた。
「いいシーズンばかりではない。今、結果が出ていないことをスランプだとは思っていない。自分にとって、勝つために必要な時間だと思っている」。悩める剣士は今、さらなる高みに向かって歩き始めた。どんな困難も肥やしに変えて、結果に結び付けてきた太田選手だからこそ、期待してやまない。ロンドンまでの道のりは決して平坦な道ではないが、険しい道であればこそ燃える。すべては1年後、太田選手の3度目のオリンピック挑戦が始まる。


2年ぶりのアジア頂点へ−。7月7日、東京国際空港から昨年、屈辱を味わった韓国・ソウルへと飛び立った。
1年前、4連覇を掛けて臨んだアジア選手権の会場、オリンピック体育館。直前まで行われた1月から6月のワールドカップツアーではグランプリ大会となる高円宮牌を征すなど、4連覇に向け、視界は良好だった。だが、終わってみれば、準々決勝で中国のレイ選手に9-15で敗れ、6位に終わり、さらに表彰台も中国勢に独占され、忸怩たる思いで帰国した。
フェンシングは元々、フランス発祥のスポーツである。
だが、アジアのフェンシングレベルは本場のヨーロッパと匹敵する。2011年男子フルーレ個人の世界ランキングを見ても太田選手を含めアジア人3人がトップ10にランクインし、体格に勝る選手が有利と言われるフェンシングの中でアジア人でも対等に戦えていることがわかる。
<世界ランキング>※2011年6月終了時点
1位:レイ選手(中国・202pts)
6位:太田選手(140pts)
10位:ファン選手(中国・120pts)
12位:チョイ選手(韓国・116pts)
15位:マ選手(中国・99pts)
覇権奪回へ最大の障壁は、レイ選手であろう。昨年10月、フェンシング発祥の地であるフランス・パリで開催された世界戦、太田選手は最高の状態で個人戦を迎えた。「フランスである世界選手権は自分にとっては特別。北京五輪からずっとこの試合を目標にしてきた」と心の底から金メダルを欲した大会だったが、準決勝でレイ選手と対戦し、14-13から逆転負け(14-15)し、涙をのんだ。
「自分のくせなど研究されている部分はあるが、自分も今回は研究している」と今季、個人戦で相対することはなかったが、リベンジに自信をのぞかせた。
「去年の世界選手権でのイメージを追い求めすぎていた」と今シーズンのワールドカップは絶好調時のイメージと現実のパフォーマンスの差に戸惑いを見せ、4月の韓国大会では右手甲を負傷するなど、思うように個人戦の成績を残せなかった。
だが、「今は良く、足が動いている。自分が(剣先を)突きたいと思う場所に突けているし、自分のイメージと実際の行動が一緒になってきている」と調整はスムーズに進み、昨年10月の世界選手権で銅メダルを獲ったときと遜色のない出来に仕上がってきている。
太田選手の特徴は「トータルフェンシング」と自ら称するように、相手との距離に関係なく、遠くからでも接近戦でも得点できるという点だ。練習では自らの理想に近づきつつあり、「自分のキャリアの中でも3度、優勝している大会なので、思いっきりやりたい」と先を見据えた。
アジア選手権では、団体戦も注目だ。個人同様にヨーロッパ各国に引けを取らないのが、中国、日本、韓国の3カ国だ。
<世界ランキング>※2011年6月終了時点
1位:イタリア(424pts)
2位:中国(340pts)
3位:日本(324pts)
4位:ロシア(300pts)
5位:アメリカ(231pts)
6位:韓国(230pts)
今シーズンのワールドカップ団体戦は5戦あり、日本代表は優勝1回、準優勝1回、3位1回、4位1回と抜群の安定感を見せた。中国がベストメンバーを組めていない状況はあるものの、「アジア選手権を優勝できれば、オリンピック(出場)はかなり現実的になってくると思う。個人戦だけでなく、団体戦も一つの目標」と意気込んでいる。
個人、団体ともに2年ぶりのアジア選手権優勝へ、太田選手がジャパンを引っ張る。
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夏バテ対策にはウイダーinゼリーエネルギーイン! |
「フェンシングって屋内競技だし、あまり動かないスポーツだから、涼しいと思われがちですが、フェンシングのユニフォームは分厚くて、ユニフォームの中に着ているインナーはいつもびっしょりなんです。午前中のフェンシングの練習では、朝と昼で1.5kgも体重が減るときがあります。ウイダーinゼリーエネルギーインは簡単に栄養補給ができるので、試合のときは特に摂るようにしています。みなさんも夏バテのときは、ご飯がのどを通りにくくなるという経験をお持ちだと思います。ソーメンやうどんを食べられるのであれば、いいのですが、炭水化物を取ることができない場合は、ウイダーinゼリーエネルギーインがお勧めです。」

■ワールドカップA大会(キューバ・ハバナ)
1回戦 IMBODEN Race(USA) 15−5○
2回戦 HEO Jun(KOR) 15-6○
3回戦 SCHLOSSER Roland(AUT) 13-15●
3回戦敗退 最終順位9位(8pts)
優勝:CASSARA Andrea(ITA)
準優勝:HERTSYK Rostislav(UKR)
3位:MARCILLOUX Marcel(FRA)
3位:LEI Sheng(CHN)
9位:太田雄貴
■ワールドカップ男子フルーレ団体戦(キューバ・ハバナ)
1回戦 イスラエル 45-29○
2回戦 フランス 45-42○
準決勝 中国 45-39○
決勝 イタリア 38-45●
優勝:イタリア
準優勝:日本
3位:ロシア
4位:中国
■ワールドカップA大会(韓国・ソウル)
1回戦 LALONDE TURBIDE Etienne(CAN) 15-9○
2回戦 CHEREMISINOV Alexey(RUS) 15-13○
3回戦 ZHANG Liangliang(CHN) 13-15●
優勝 BALDINI Andrea(ITA)
2位 KRUSE Richard(GBR)
3位 MASSIALAS Alexander(USA)
3位 SEDOV Artem(RUS)
11位 太田雄貴
■世界ランキング
4位 154pts 太田雄貴
■ワールドカップ男子フルーレ団体戦(韓国・ソウル)
1回戦 ウクライナ 45-36○
2回戦 香港 45-24 ○
準決勝 イタリア 41-45 ●
3位決定戦 中国 45-39○
優勝 イタリア
2位 ロシア
3位 日本
■ワールドカップグランプリ大会(中国・上海)
1回戦 齋藤(JPN) 15-6○
2回戦 SIMON Vincent(FRA) 14-15●
優勝: LE PECHOUX Erwan(FRA)
準優勝: SIMONCELLI Luca(ITA)
3位: FOCONI Alessio(ITA)
3位: CASSARA Andrea(ITA)
17位: 太田雄貴
■男子フルーレ個人 世界ランキング
4位: 154pts 太田雄貴(森永製菓)〔2〕
※〔 〕内数字は今大会前の世界ランキング。
フルーレマスターズ(会場:salle des fetes)
参加選手:Peter JOPPICH(GER)、太田雄貴(JPN)、Andrea BALDINI(ITA)、Brice GUYART(FRA)、Sheng LEI(CHN)、Benjamin KLEIBRINK(GER)、Andrea CASSARA(ITA)、Victor SINTES(FRA)
■1次リーグ(現地時間 4/2)
※4人ずつのグループの総当たり戦
VS Andrea CASSARA(ITA)●
VS Victor SINTES(FRA)●
VS Benjamin KLEIBRINK(GER)●
3敗により、1次リーグ敗退
チャレンジルブニュー(会場:Tennis Club de Mulun)
■個人戦(現地時間 4/3)
大会結果:3位
■個人戦
1回戦 HALSTED Laurence(GBR)15-14○
2回戦 LE PECHOUX Erwan(FRA) 15-11○
3回戦 CHOI Byung Chul(KOR) 7-15●
最終順位9位
■団体戦
1回戦 イスラエル 45-33 ○
2回戦 LE PECHOUX Erwan(FRA) 45-44○
準決勝 イタリア 39-45●
3位決定戦 ドイツ 40-45●
最終順位4位
■個人戦(現地時間18,19日)
ベスト64 太田15-11 CHAN(USA)
ベスト32 太田15-10 MIYAKE(JPN)
ベスト16 太田10- 8 KWON(KOR)
ベスト 8 太田15-11 MA(CHN)
準決勝 太田11-15 CASSARA(ITA)
最終順位 3位 銅メダル獲得
世界ランキング2位 230p
■団体戦(現地時間20日)
ベスト16 日本(太田・淡路・三宅・R福田)45-39 カナダ
準々決勝 日本(太田・淡路・福田・R三宅)45-38 韓国
準決勝 日本(淡路・三宅・福田・R太田)36-45 イタリア
3位決定戦 日本(淡路・三宅・福田・R太田) 35-45 中国
最終順位
優勝 ITA
準優勝 FRA
3位 中国
4位 日本
■大会結果
1回戦:MELIA Rhys(GBR) 15-4 ○
2回戦:OR Tomer(ISR) 15-2 ○
3回戦:KHOVANSKY Alexey(RUS) 15-5 ○
準々決勝:HERTSYK Rostislav(UKR) 15-5 ○
準決勝:LEI Sheng(CHN) 14-15 ×
最終結果:3位
■コメント
「北京五輪で銀メダルを獲ってから、フェンシング発祥の地で行われるパリの世界選手権を目標にこの2年間、戦ってきました。
今大会は優勝を狙っていて、準決勝は勝てた試合だったので、逆転されてしまって非常に悔しいです。力はすべて出し切れたと思います。
まだ団体戦があるので、気持ちを切り替えて挑みたいと思います。」
2010年9月29日(水)、太田選手が企画・プロデュースする、子供のためのフェンシング大会「森永製菓 第2回 フェンシングフルーレ 太田雄貴杯powered byウイダーinゼリー」開催決定記者会見が行われました。
「参加するすべてのこどもの笑顔のために」をコンセプトにさらにパワーアップして2回目の開催が決定したことが発表され、太田選手から、「スポーツを通じて、子供たちの心の成長を促していきたい」「感動を与えられるような選手になってほしい」と子供たちへの思いが熱く語られました。11月に行われる、世界選手権に向けて「一番上を狙う」と力強い決意を語ってくれた太田選手。今後の活躍に注目です!!
大会概要
開催日:11月27日(土)
開催場所:東京中央区立総合スポーツセンター
※試合要項及び申し込みはこちら
