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ジュニアチーム監督現場レポート
小学校低学年から鍛えられる「感覚」

福原愛選手(愛ちゃん)の活躍で注目度アップのジュニアの卓球。最近では小中学生の間で人気が高まってきているという。その愛ちゃんが幼稚園時代から前人未到の記録を樹立し、ここまで伸びた秘訣はどこにあるのだろうか?
今回は元卓球日本代表でもあり、引退後も多くの日本代表選手の育成にあたっている川村公一氏(現在は健勝苑監督)にお話を伺った。

川村公一監督
川村公一氏

卓球の本場・中国では5歳から始めたのでは遅すぎると言われていますが、日本ではだいたい小学校に入るころから始める子が多いようです。小学校低学年くらいではたいした試合ができるわけではないのですが、勝負の感覚を持っている子は1年生でも、幼稚園児でも勝ちあがって来ます。
自分のプレースタイルが出てきて、勝負を計算しながら試合ができるようになるのは男子なら中学、女子はもっと遅い。女子は監督の指示を1から10まで聞いて、自分で考えない傾向が強いんですね。その中で愛ちゃんのように、いろんなことを吸収しながら自分で考え、勝ち方を見つけていく子がポンと抜き出るわけです。

愛ちゃんの強さに学ぶ

愛ちゃんのすごいところは戦術面で自分のプレーをよく知っている、ということですね。自分がどこが弱いからどう攻められたらまずいのか、またそこを攻められたらどう切り返せば良いかが頭に入っている。
愛ちゃんは決して体が大きいわけではないし、筋肉が大きくてパワーがあるわけではない。でも「弱みを握られない攻め方」をするんですね。フォアハンドの技術にしても、愛ちゃんは日本の中でもトップクラスというわけではない。でもドライブをかけたり前でパチンッ!とたたいてくるからそこに相手は打ってこなくなる、そこに勝負を掛け、自分のペースに持ち込むという戦術面が愛ちゃんは非常に優れています。
自分はどこでポイントを取っているか、取られているか。第一ゲームの中盤くらいまでくれば、相手の長所短所がわかるはずです。常に冷静に相手の出方を見極められるかどうかが卓球の勝負を決めると言ってもいい。「今日は調子が悪かったから勝てなかった」とか言っている子は、結局そのレベルから抜け出せません。本当に強い子は調子が悪くても勝つ戦術をしっかり持っていて、実際に勝ち続けますから。

子供を強くしたいなら、親は黙って見守る

ジュニア選手の“親”が一生懸命になりすぎている傾向があります。大切な子供のことですからつい力が入ってしまうのもわかりますが、監督を信じてすべて任せてみてはどうでしょうか。子供に対しても同じです。卓球が好きで興味があれば自分から吸収していく。そういう子供の自主性を尊重してほしい。伸びる子は自ら「人より努力すれば強くなる」ことを覚えていくものです。だからぜひ、保護者の方々には黙って見守ることの大切さをご理解いただきたいと思います。

PROFILE

川村 公一(かわむら こういち)
元卓球日本代表。現役時代は日産自動車卓球部主将として活躍、全日本選手権3位という実績を残す。引退後は日産自動車女子卓球部の監督を務め、現在は健勝苑で監督として西飯姉妹、森下ら多くの日本代表選手の指導にあたる。

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