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ジュニアチーム監督現場レポート
今やるべきことをやる

今回は、日本リーグクラブチームとして積極的に活動をしながら、全国各地で様々な年代層に対してバトミントン教室を行なうなど活動の幅を益々広げている団体であるNPO法人大阪トリッキーパンダース・スポーツクラブ代表の渡辺コーチにお話をうかがった。

渡辺哲義コーチ
渡辺哲義コーチ

週5日、大阪のジュニアチーム指導にあたっているという渡辺コーチが、子供たち、そしてその保護者との係わりを通じて感じるジュニアの現状をお伝えしよう。

バトミントンにはどういう能力が要求されますか?

10月からルールが変わり、サービスオーバー制からラリーポイント制になります。ゲーム時間が短くなるんです。そうなると、今までは有酸素的な運動が主でしたが、パワーが要求されるようになります。危惧しているのは、指導者が、無理やり小学生にパワーを求めてしまうのではないかということ。後で述べますが、成長期の子どもがやらなければいけないこと、伸ばしておくべき能力を大切にしてあげたいですね。あとは、強い精神力。バトミントンは、ほとんど気持ちで勝負が決まるといわれます。精神力が弱い子は、やはり試合でも弱い。ジュニアの指導は、ここがポイントです。この精神力を鍛えないと強くなれませんし、将来社会に出てからも重要な要素ですよね。

精神力は鍛えられる?

きついことと楽しいことだったら、楽しいことを選びますよね?でも夢があって、バトミントンが好きで、上手くなりたいと思えば、きつくてもやり通す。根性があるともいえますが、練習がきついと来なくなる子やすぐにあきらめてしまう子に比べれば、試合ではるかに大きな力を発揮します。あえてきつい練習をし、自分を奮い立たせられる力をつけて欲しいと思っています。周りの励ましや仲間の存在も大きいでしょう。バトミントンの場合、放課後スポーツですから、保護者の送り迎えがないとできない環境であることが多いんです。ですので、保護者の意識、協力もとても大切な要素になってきます。「スポーツをする場所が近くにない」という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。今は、近くに原っぱがあって、野山があった時代ではありません。保護者が、子どもの置かれている環境、現状をしっかりと把握してあげてください。

ジュニアを指導するとき、どんなことから始めますか?
スキャモンの発育曲線(図)
*注…スキャモンの発育曲線
まず、ゴールデンエイジ(スキャモンの発育曲線*注)を見せ、「今のキミたちの体はこういう状態だから、こういうことをすると伸びるとか、これをやる必要がある」とか言ったことを説明します。難しいと思われがちですが、子供たちは意外と納得してやってくれます。そうすると逆に前向きだし、吸収が早い。今やっとかないといけないこと、将来トップになるために今覚えるべき体の使いかた、怪我予防のためのトレーニング等々。小学生でも、今からインターハイ、ナショナルチームの夢を持っている子が多いので、意欲が違います。保護者の方も、お子様の将来を見据え、あせらず、今できることをしっかりとやれる環境づくりに協力してあげてください。
朝を食べない子が多いと聞きますが、子どもたちの食生活はどうですか?

私は、合宿形式で指導することが多いのですが、朝を食べない子、食べられない子が多い。いつも食べてないからということもあるのではないでしょうか・・・・。毎回季節の変わり目などに風邪引く子はやはり、バランスが悪いです。夜も遅い。寝不足の子も。私は年に数回、子供たちに1週間の食事を書き出させています。それを保護者に見せて話をします。栄養は摂れているのか?とか色々です。保護者の方もドキッとするみたいです。毎日の食事を客観的に見る機会など意識しないとありませんからね。品目が足りないとか偏っているとか色々気付くきっかけになるみたいです。20年前の子どもに比べ、今の子どもの身長平均は7センチ高くなってるんです。なのに体力レベルはかなり落ちている。余計危機感を持つ必要があります。ぜひ、一週間の食事内容を書き出して見てください。色々な気付きがあると思いますよ。

バトミントンから学んで欲しいこと、伝えたいこと

バトミントンの場合、楽しさを知らずにやめてしまう子が多いんです。ぜひ生涯スポーツとして関わって欲しいスポーツなので、その楽しさを伝えたいです。今のジュニアプレーヤーには、体の小さな子を多く見かけます。ジュニア期には、体が大きいとそれだけ動作がしにくくなるので、小回りのきく小さい子の方が、器用にスポーツをこなすことが多いのです。スポーツの好き嫌いが出始めるこのころ、上手くできれば好きになるし、上手くできなければ嫌いになってしまう。そういうことが重なって、体の小さい子が多くスポーツの現場に残っているのが現状ではないでしょうか。だからこそ余計、スポーツの楽しさを伝えたい。楽しいことは、続けたいし、上達にもつながりますから。バトミントンだけでなく、スポーツをする環境が減っている今、生涯スポーツに出会えることはとても貴重な経験だと思います。

PROFILE

渡辺 哲義(わたなべてつよし)
・元NTT西日本バドミントン部監督
・NTT西日本大阪バドミントン部では、1997〜2000年日本リーグ4位。個人でも1990年全日本学生シングルス3位、1991年全日本社会人シングルス5位、1999年全日本社会人シングルス5位等長年にわたり、日本のトップ選手として活躍。現在はNPO法人大阪トリッキーパンダーススポーツクラブ代表。

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