競技中にエネルギー切れを感じたり、十分に力を発揮できなかった経験はありませんか?
エネルギーが枯渇すると体が思うように動かなくなったり、集中力が続かなくなったりと、競技に影響する可能性があります。トレーニングや試合で良いパフォーマンスを発揮するために必要な栄養補給について解説します。
ヒトの体は、生命維持や活動に応じてエネルギーを消費します。しかし、体に蓄えられる量には限りがあるため、適宜食事から補給する必要があります。
基本的には、1日3回の食事を摂ることが重要ですが、
練習量が多い場合や競技特性によっては、1日3回の食事だけではエネルギーを補うことが難しい場合もあるかもしれません。
そのため、運動中にエネルギー切れを起こさないためにも、1日3回の食事のほか、必要に応じて補食を活用しましょう。
エネルギーを持つ栄養素は、主に炭水化物、脂質、タンパク質です。
このうち炭水化物は、脂質やタンパク質に比べて消化や吸収が速く、主なエネルギー源として利用されます。
また、消化吸収を経てエネルギーや血糖の維持に利用されたり、肝臓や筋肉などに貯蔵されています。過剰摂取の場合は、脂肪として蓄えられます。
次に脂質は炭水化物、タンパク質に比べてエネルギー量が高いという特徴があるため、少量で効率よくエネルギーを摂ることが可能です。しかし、エネルギーとして利用しない場合は主に脂肪細胞に蓄えられるため、過剰摂取では脂肪がつきやすいという特徴があります。
タンパク質は、炭水化物とほぼ同じだけエネルギーを持っている栄養素ですが、主に体をつくる材料として利用されます。しかし、炭水化物が枯渇した場合や筋肉内ではエネルギー源として利用される場合があります。
運動中に力を発揮するには、運動前・中・後に適切な栄養補給をすることが重要です。
では運動前から説明していきます。
【運動前】運動時に必要となるエネルギーを補給することが必要です。主なエネルギー源となる炭水化物を多く含む食品の、おにぎり、カステラ、ジャムパンやあんパン、うどんなどの麺類を食べましょう。一度に食べる量や体調に影響を受けますが、消化に時間が必要なので、運動の1~2時間前までに食べるようにしましょう。固形物が食べづらい場合は、inゼリーも運動前の補食として活用できます。
また、脂質の多いものは消化に時間がかかるため、運動前は低脂質なものを選びましょう。
【運動中】マラソンなど運動時間が長い場合には、栄養補給を検討する場合がありますが、運動時間が短い場合には無理に補給する必要はありません。
しかし、運動の時間に関わらず水分補給は重要なので、こまめな水分補給を心がけましょう。
【運動後】運動終了後できるだけすぐに栄養を補給しましょう。すぐに補給することで、筋肉中のグリコーゲンの回復が早まるといわれています。補給する内容は、炭水化物(糖質)とたんぱく質を含む食品です。おにぎりと牛乳、肉まんと100%オレンジジュース、バナナとヨーグルトなど、食品を組み合わせて食べるとよいでしょう。運動後すぐに食べることが難しい場合は、プロテインが選択肢の一つです。
アスリートは、競技に適した体づくりに気を配っていることでしょう。体づくりに必要な栄養素は主にタンパク質です。タンパク質を多く含む食品には、肉類、魚介類、卵類、大豆・大豆製品、乳製品などがあります。
まず、食事から摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解されます。しかし、分解されたアミノ酸は、一時的に体内で貯蔵されて、必要に応じて利用されます。
食事から摂取するタンパク質が不足すると体内のアミノ酸の貯蔵量が減少します。また、必要に応じて筋肉や体の組織を分解するため、体づくりに影響する可能性があります。そのため、食事からタンパク質を摂ることが必要です。
その他、運動前と運動後にプロテインを飲むメリットについては、「最適なプロテインの摂取タイミング」「アスリートの栄養補給。トレーニング時にプロテインはどう摂取?」で解説していますのでご覧ください。
最適なプロテインの摂取タイミング|【森永製菓】プロテイン公式サイト
アスリートの栄養補給。トレーニング時にプロテインはどう摂る?
自然界には500種類のアミノ酸が存在するといわれていますが、ヒトのタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。ヒトの体のなかで合成できない9種類の必須アミノ
酸と、体のなかで合成される11種類の非必須アミノ酸で構成されています。
20種類のアミノ酸のうち、特に必須アミノ酸は食事からとる必要があります。タンパク質を多く含む食品で挙げた食品には必須アミノ酸が十分に含まれているため、毎食摂るように心がけましょう。
アミノ酸については以下の記事でも解説しています。
運動をするときには、エネルギー切れを起こさず、良いパフォーマンスを発揮できるように適宜栄養補給を行います。
まず、運動前のエネルギー補給を十分に行い、必要に応じて運動中にも栄養を摂りましょう。運動後には、消費したグリコーゲンを補給するための炭水化物とタンパク質を摂取するように心がけましょう。