栄養&運動講座

野球

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1.コンディショントレーニング

みなさんの足首はしっかりと大きく動きますか?
野球では投げる、打つ、走る、捕るなどの動作が基本になります。その動作に共通して大切なことは下半身をいかに上手に使えるかということになります。
下半身の中で足首の動きが悪くなると、深くしゃがむことが出来ずにゴロなどのボールの捕球がスムーズに出来なくなることが考えられます。また、ピッチングの際にも足首が硬いと前足への体重移動が上手に出来なくなることも考えられます。
このように、足首に詰まりなくスムーズに動かせることが、野球において重要になります。
また、足首が硬いと膝や股関節、腰など他の部分にもストレスが多くなり、それによって怪我を誘発してしまうことにもなります。
怪我の予防とパフォーマンス向上の為にも、この足首のコンディショニングトレーニングを試してみて下さい。

【Ankle Mobility(アンクルモビリティー) 左右各20回】

  1. 段差に母指球をのせ、踵は地面につける
  2. 人差し指、膝、股関節が一直線になる様にする
  3. 膝をつま先の方向に動かす
    ※踵が床に着いている様に注意する

今回紹介したエクササイズは、練習前のウォーミングアップとしても使えるエクササイズです。もちろん、練習だけでなく、試合前やトレーニング前、攻撃の間などで行うのもおすすめです。 このエクササイズでは膝がつま先まで動くようになれば、オッケーです。エクササイズを実施してみて、左足と右足で動きの大きさが違う場合は、動きの小さい方の回数を増やしたり、2セットにして、より多くの回数を実施してみて下さい。

▼ Ankle Mobility 前額面

▼ Ankle Mobility 矢状面

2.コンディショントレーニング

野球は、肩の怪我が非常に多いスポーツです。今回からそんな肩の怪我を予防するためのエクササイズをいくつか紹介していきます。
肩を痛める原因には、もちろん肩自体が問題の場合もありますが、そのほかの関節や筋が機能していないために、その代償として肩の痛みが起こることも多くあります。
今回は胸周り(背骨、肩甲骨も含む)の柔軟性の低下を予防、改善するためのエクササイズをご紹介します。 胸の前のストレッチと肩甲骨の内側、背骨のあたりのストレッチを同時に行えるエクササイズです。
胸周りの柔軟性が低下すると、それを代償しようとして肩が必要以上に働くことを余儀なくされ、肩の関節や筋肉に負担がかかります。 肩に大きな負担をかけないためにも練習前には十分に胸周りの動きづくりをしておきましょう。

【Upperback Extension(アッパーバックエクステンション)15回】

  1. ストレッチポール(無ければバスタオルを2枚重ねて丸めたもの)を肩甲骨の下に置いて仰向けに寝る。
  2. 両手を耳の後ろにあて、胸と肘を大きく開きながら上体を倒す。
  3. 両肘を内側に入れながら上半身を少し起こす。
    ※胸を開くことを意識する

今回紹介したエクササイズは、練習前のウォーミングアップにおすすめのエクササイズです。
ゆっくりと呼吸をしながら行うのがコツです。広げるときに息を吐き、閉じるときに息を吸うというリズムを意識しましょう。
このエクササイズの注意点は腰を過剰に反りすぎないことです。 腰を反りすぎると腰痛の原因にもなるので、胸周りの柔軟性が乏しく、ストレッチポールでは腰を反りすぎてしまう場合には上記に示したようにバスタオル等ご活用いただき、無理のない範囲で行いましょう。

▼ Upperback Extension 矢状面

▼ Upperback Extension 前額面

3.コンディショントレーニング

今回ご紹介するのは、背骨を中心にして適切に体を回すエクササイズです。
背骨には「回旋」といって体を回すために必要な機能が備わっています。ただ、腰のあたりの背骨(腰椎)は構造上、回旋という機能があまり備わっていませんので、骨盤、腰椎は安定させて、胸のあたりの背骨(胸椎)から回すように意識することがポイントです。
前回ご紹介したUpperback Extensionというエクササイズの説明でも胸周りの柔軟性の必要性についてお話しましたが、背骨が適切に動かないことで肩や肘、腰に大きなストレスがかかり、痛みや怪我の原因になってしまいます。

【Gatorchomp Separation(ゲーターチョンプセパレイション) 左右各15回】

  1. 横向きになり、顔の前で両手を合わせ、股関節と膝を軽く曲げる
  2. 上半身を開くように片腕と顔をゆっくりと回し始める
  3. 動かしている腕の手は、床を触る様に回す
    ※身体の中心から回す意識で行う

今回ご紹介したGatorchomp Separationも練習前のウォーミングアップの一つとして活用して頂きたいエクササイズです。
頭の先からおしりまでが一直線上にあることを確認しましょう。
ゆっくりと呼吸をしながら背骨を中心に体を回すようにしましょう。首をすくめたり、肩だけで回さないように注意します。
無理して手を床につく必要はないので気持ちよく回せる範囲で行いましょう。

▼ Gatorchop Separation 前額面

4.コンディショントレーニング

今回も引き続き胸周り、肩周りの柔軟性を向上させるエクササイズです。
肋骨の周りには呼吸に関わる筋や肩を動かす際に使われる筋など無数の筋肉が付着していて、硬くなりやすい部位でもあります。そのため、コンディションを高めるためのエクササイズも多めに行う必要があります。
このあたりが硬くなることで、腕が適切な位置まで上がらなかったり、体が上手く回らなかったりします。
肩や胸周りの動きに制限が出ることは、競技パフォーマンスを低下させる要因でもありますし、肘や肩の怪我にも繋がりかねません。
また、呼吸に関わる筋肉の硬さ(柔軟性)を改善させることで、適切な呼吸が行いやすくなり、姿勢の安定にもつながります。

【筋リセット(胸郭上部) *ストレッチポール 左右各20回】

  1. ストレッチポールを肋骨の下に入れ、横向きになる
  2. 天井側の腕を頭方向に上げる
  3. 手が床に着く所まで上げたら、体側に戻す

呼吸に合わせて行いましょう。
吐きながら腕を上げ、吸いながら戻します。
無理に手が地面に着くまで腕を上げる必要はありません。
おしりが浮かない範囲で心地よいストレッチを感じてください。
脇の下から肋骨の下の方まで付いている筋肉が違いますので、何ヶ所かストレッチポールの位置を変えて行うとよいでしょう。

▼ 筋リセット(胸郭上部)

5.コンディショントレーニング

肩関節は小さなソケット(受け皿)に大きなボールが乗っているような非常に安定性の低い構造をしています。
そのため肩関節周囲の筋機能を高めることで関節の安定性を補う必要があります。
関節の安定性が低い、もしくはボールとソケットが適切な位置関係にないと、野球でよく見られるインピンジメントなど怪我の大きな原因となってしまいます。 動画のように肩を動かす動作(回旋)の際に使われる筋(ローテーターカフ)は肩を安定させてくれる機能も担っています。
またこの際、胸の前を開くような動作になると同時に肩甲骨を内側に寄せるような動きも伴います。
胸の前の筋は硬くなり、肩甲骨の内側の筋は弱くなる傾向にあります(猫背のような姿勢)。
そのような状態を改善するためのエクササイズとしても効果的です。

【Shoulder External Rotation(ショルダーエクスターナルローテーション) 20回】

  1. 両肘を直角に曲げて、真っ直ぐ背筋を伸ばして立つ
  2. 肘を身体につけたまま、腕を外側に向かって動かす
    ※肩甲骨を斜め内側に寄せるように意識する

エクササイズ中、腰を反ったり、体をひねったりしないように気を付けましょう。
初めは何も持たずに行い、動作に慣れてきたら両手にゴムチューブを持ち、少し負荷をかけていくと良いでしょう。

▼ Shoulder External Rotation 正面

▼ Shoulder External Rotation 側面

▼ Shoulder External Rotation 背面

6.コンディショントレーニング

人間の体は筋肉が互いに引っ張り合ってバランスを取っています。その引っ張る力のバランスが崩れる(強すぎたり弱すぎたり)ことが動作の不具合や痛みの原因に繋がります。
首から肩にかけての筋肉(肩甲骨を引き上げる筋肉)は使われすぎて硬くなる傾向にあり、逆に肩甲骨を内側に引き寄せたり、下に引き下げたりする筋肉は弱くなって引き伸ばされている傾向にあります。
今回はそのような筋肉のアンバランスを改善するために効果的なエクササイズのご紹介です。
肩甲骨が適切な位置を保つことで肩関節の安定、投球動作の安定だけでなく、怪我の防止にも繋がります。

【Pull-in(プルイン) 左右各20回】

  1. 真っ直ぐ背筋を伸ばして立ち、肘を直角ぐらいに曲げ、指先を開いて、手のひらを天井に向ける
  2. 手を外に開いたまま、肘を背中の裏側に向かって動かす
    ※肩甲骨を斜め内側に寄せるように意識する

肩甲骨を下方に引き下げる意識を持ち、胸を張って肩がすくまないように注意しましょう。
肘を内側に動かす際に、同時に体のひねりが起こらないことも確認してください。

▼ Pull in

7.コンディショントレーニング

肘を後ろに引くような動作(綱引きで縄を手繰り寄せる動作)を“ロウ”といいます。
野球の投球動作を考えてみると、テイクバックでこの“ロウ”の要素が含まれます。 投球動作は非常に複雑ですが、動作をひも解いてシンプルなエクササイズから行うことで肩・肩甲骨周りの安定感が生み出されます。
また、片手で行うことで、若干ではありますが胸椎の回旋を伴い、投球動作により近い状況を生み出すことができます。胸椎の動きと連動して肘を後ろに引くことが肩や肘に負担のないスムーズな投球動作に繋がります。

【1Hand Row(ワンハンドロウ) 左右各20回】

  1. 肩幅に足を開いて、立つ
  2. 片方の肘を直角に曲げ、拳を握る
  3. 肘を真後ろに引く
    ※肩がすくまないように、首を長くした状態で行う

胸を張って、肘が開かないように注意して行いましょう。
トレーニングに慣れてきたら、より投球動作に近づけるために、肘を引くと同時に胸椎を引いた肘側に回旋させ、逆の手を前に伸ばすような動作を連続的に行ってみましょう。

▼ 1Hand Row

8.コンディショントレーニング

全8回に渡りパフォーマンス向上・怪我の予防のためのエクササイズを紹介してきましたが、今回が最終回となります。
これまで胸、肩・肩甲骨周りそれぞれの機能を高めるエクササイズを中心にご紹介してきました。
今回はその向上した機能を野球の動作の中で上手く複合的に使えるようにするためのエクササイズです。
野球の投球動作では体幹を回す(回旋)動作と肩甲骨、肩関節が上手く連動して動くことが非常に大切です。
片方の腕を後方に引くと同時に引いた側へ体幹の回旋が起こり、逆側の腕は前方にリーチします。この際に腕だけでなく肩甲骨からしっかり動けていることが重要なポイントになります。一見簡単そうな動作ですが、肩や胸周りの筋肉が硬くなっていて動きが悪かったり、肩甲骨周りの筋肉が上手く働いていないと動作の連動性は失われます。
このような複合的な動作がスムーズに行えると、肩や腰回りへの負担が軽減され、怪我の予防にも繋がります。

【Thoracic Rotation(ソラシック ローテーション) 20回】

  1. 肩幅に足を開いて、立つ
  2. 片方の手は前に伸ばし、もう一方の手は拳を握って後ろに引く
  3. 身体の中心から捻るように、左右交互に繰り返す
    ※肩がすくまないように、首を長くした状態で行う

動作に慣れてきたら、負荷をかけましょう。ケーブルマシーンなどが使える環境があれば使用し、なければゴムチューブなどを柱にひっかけて両手で持ち、負荷をかけましょう。

▼ Thoracic Rotation

運動が終わった後は、プロテイン補給!